『うんこドリル』×NITE異色のコラボ裏話 後編 ~うんこは電子レンジに入れてはいけません!~
うんこドリルと独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)コラボの裏話、後半をお届けします。『うんこドリル』を発売している文響社で「うんこアンバサダー」をつとめる石川さんとNITE 企画管理部広報・イノベーション支援課広報室主任の田邊が、まだまだ語ります。
「前編を読んでいない」という方は、こちらをどうぞ。↓
うんこは電子レンジに入れてはいけません!
――前回は、ボタン電池の問題をどう作るか苦労したというお話をうかがいました。他にはどんな問題を作りましたか?
田邊:
爆発を表現したものとして、「ゆで玉子を電子レンジに入れるとどうなるか」「生玉子を電子レンジに入れるとどうなるか」という問題を用意しました。当然、どっちも爆発するからダメということなのですが。
石川さん:
2回目の爆発では髪が吹き飛ぶイラストにして、オーバーリアクションにすることで、怖さも伝えつつ、クスっと笑いながら解けるようにしています。「爆発」というキーワードが重要だったので、その爆発具合について「はじけちゃっていいですかね」と相談をしました。NITEさんから「いっちゃいましょう」と言っていただいたので、デザインチームもノリノリで楽しく制作をさせていただきましたね。
――設問する上で難しかったのは、どんなところでしょうか?
田邊:
『うんこドリル』の世界観としてのうんこをどう使っていくのか、というのがすごく難しくて……。
例えば、金属のお皿にカップケーキを入れて、電子レンジで温めたらどうなるかという問題ですね。最初は「お皿にうんこを入れて温めた」と書いてあったのですが、「電子レンジに食べ物以外を入れるのは誤使用なんで、そもそもダメです」と製品安全チームからしっかり指摘されました。
石川さん:
当社側でも、社内校閲で「食べ物とうんこはぜったいに絡めないでください」という強い指摘がありました・・・(笑)
田邊:
言いたいことは「金属の皿を電子レンジに入れちゃダメ」ということで、シャレでうんこを入れたいところなんですが、シャレにならないということですね。
――うんこならではの問題があるんですね(笑)
田邊:
あと、「寝る前に何を消す?」っていう問題もかなり考えました。寝る前に消さなきゃいけないのは「電気ストーブ」という答えにつなげたかったのですが……
石川さん:
最初は「うんこに行く」というような『うんこドリル』の王道を行くような誤答にしていたんですよね。
田邊:
寝る前にうんこに行くこともあるかもしれないじゃないですか(笑)。完全に誤答とは言い切れない。それで、どうしたらおもしろくできるかなって考えた時に「消す」つながりで「気配を消す」という言葉を思いつき、忍者っぽいイラストを描いてもらいました。
笑いながら学べるコンテンツが完成!
――NITEの今までの普及啓発事業とは一味違うものになりましたね。
田邊:
東京都渋谷区にあるNITE本所で、毎夏、地域の住民の皆さんへNITEの業務を紹介する「NITEフレンドシップデイ」というイベントをやっていたんですが、コロナ禍で休止せざるを得なくなりました。こういったイベントが軒並み中止となり、NITEの活動について知ってもらう機会が減ってしまいましたが、『うんこドリル』とコラボしたことで、おうちでもNITEに接していただけるツールが完成したのではと思っています。
さらに「うんこ学園」教育プラットフォームに新しいコンテンツとして我々のドリルが加われることも楽しみにしています。『うんこドリル』ファンの皆様や「うんこ学園」ユーザーの皆様に対し、NITEの活動を知っていただきたいと考えています。
楽しみながら製品安全の知識が身につくものになり、家庭用製品による事故予防に向けた啓発につながることを期待しています。
好評であれば、将来的に製品安全以外の分野で問題も作っていきたいですね。
今回ご用意した問題の中には、大人でも解けないような難しい問題もあるかもしれません。ぜひご家族みんなで笑いながら「これわかんない」「おもしろいね」という会話を楽しんでいただきたいです。
◇ ◇ ◇
NITEのうんこドリル完成までには、正しい情報を伝えなければならない「製品安全」と「うんこ」のせめぎ合いがあったのですね。おうち時間を過ごす子どもたちだけでなく、電車の中でスマホで……という楽しみ方もできそうです。
【異動のご挨拶】
広報室の田邊です。
noteを初めて早一ヶ月。これからという時ですが部署異動のため4月1日より広報室を離れることになりました。
今後も、新しい担当者がNITE職員の日々の業務への想いや業務内容をお伝えし、共感いただく事で、みなさんとの距離を縮めていくべく発信を続けてまいります。
私が担当したのは、短い間でしたが記事を読んでいただいた読者の皆様、
本当にありがとうございました。2022年3月31日