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身近な延長コード、安全に使ってる?

こんにちは。

独立行政法人製品評価技術基盤機構NITE(ナイト)広報室です。

皆さんは、電化製品の電源ケーブルの長さが足りないとき、コンセントの数が足りないときなど、延長コードやテーブルタップを当たり前に使用していますよね。繋ぐだけで誰でも使えるので、「安全に使っているか」などと考えたことはない…… という方も多いのではないでしょうか。

今回は、すごく身近な延長コードなどの安全な使い方について、お伝えしたいと思います。

配線器具

事故は2020年から増加

延長コードなどの配線器具から発火する事故は、2016年から2021年の6年間に250件も発生しています。特に気になるのは、2016年以降、製品自体の進化により減少していた事故が、2020年~2021年の2年でまた増加していることです。

2020年~2021年…… そう、コロナ禍です。テレワークやおうち時間が増えたことで、仕事で使うパソコンをはじめ、電源を必要とする機器が増え、延長コードなどの使用頻度が高まったことが考えられます。普段あまり気にしていませんが、古い延長コードが劣化していたり、いわゆる「たこ足配線」でコンセントの許容量を超えていたり、コードを引っ張るなどしたために断線していたり、あるいは繋ぎっぱなしのプラグにほこりがたまっていたり…… そういうことが事故の原因になってしまいます。

事故原因トップ3は

6年間の250件には、使い方や設置方法が原因で発生したと考えられる事故が96件ありました。96件の事故原因トップ3 は、こちらです。

【第1位】
ほこり、水分の付着や液体などの浸入でトラッキング現象が生じ発火

【第2位】
電源プラグと刃受け間で接触不良による発火

【第3位】
電源コードやコードプロテクターに外から力が加わり、断線してショート


第1位の「トラッキング(tracking)現象」は、コンセントや電源プラグ(差し込む部分)の周囲、隙間に、ほこりや水分が付着したまま使用することで起きます。

トラッキング現象の仕組みはこうです。付着したほこりや水分によって電源プラグの栓刃(せんば、プラグからはえている2枚の金属の板)の間に弱い電流が流れ、火花放電が繰り返されます。すると電源プラグの樹脂の部分が加熱され、徐々に炭素を含んだ状態に変化(炭化)していきます。その結果、電気の通り道(トラック)ができ、そこに電流が流れることによって異常に発熱して発火します。

トラッキング現象


↓ トラッキング現象による発火事故の再現映像 ↓


第2位に出てくる「刃受け」(はうけ)とは、電源プラグの差し込み口の内部にあり、栓刃と接触して電気を流すものです。

栓刃と刃受けが接触不良を起こしていると、異常に発熱して発火する危険性があります。電源プラグを抜き差しするときに緩いと感じたり、差した状態でグラグラしたりする場合は、接触不良になっているかもしれません。

各部の名称

第3位に出てくる「コードプロテクター」は、電源プラグなどとコードの接続部分(付け根部分)を補強しているものです。

コードプロテクター部分に限らず、電源コードは、無理に曲げたり、何かに挟まったまま使用したりしていると断線してしまい、異常な発熱や発火の原因になることがあります。

事故にならないように使うには

 少々怖い話をしてきましたが、今度はどんなことに気をつければ良いのか、ポイントをご紹介しましょう。

【ポイント1】
電源プラグやテーブルタップ、コンセントの差込口などにほこりがたまらないよう、定期的に掃除をしましょう。

【ポイント2】
テーブルタップやコンセントの差込口などに、水分やアルコールが付かないように注意しましょう。

【ポイント3】
変形した電源プラグの使用はやめましょう。

【ポイント4】
引っ張る、机や椅子の脚で踏むなど、電源コードに無理な力を加えないようにしましょう。

【ポイント5】
接続可能な最大消費電力を確認し、その範囲内で使用しましょう。


頻繁に使用する家電製品など、電源コードを差しっぱなしにしていることもありますよね。電源プラグの周辺にほこりがたまっていたり、水がはねていたりしませんか。

テレワークが増えて、テーブルの上も、椅子の周りも電源コードがごちゃごちゃ……という方もいるでしょう。うっかり踏みつけていたり、無理に引っ張っていたりするコードはありませんか。コンセントの許容量を超えていませんか。

水と切り離せない場所で使うキッチン家電や美容家電も、置き場所などに気を付けた方が良さそうですね。

この機会に、点検と掃除をして、安全に使いましょう。

もっと詳しく知りたい方は、こちら「減少傾向から一転、2年連続事故増加~配線器具の火災に注意!!~」もどうぞ。

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